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子宮癌根治手術後の排尿障害に猪苓湯合四物湯著効症例

子宮癌根治手術後は、重篤は排尿障害を残し、それが腎不全に進展して短命に終わる患者が少なくない。

症例

症例1:54歳。
子宮体癌の根治術を受けて以来膀胱炎症状を毎日のように訴え、入院治療を受けても軽快せず、術後1年で報告者の漢方外来を受診した。
猪苓湯合四物湯エキス剤の投与をしたところ、服用3日目で膀胱炎症状がほぼ消失し、2週間内服で終了したが以後1年半近くたったが全く再発を認めていない。

前立腺がん内分泌療法の副作用に対する漢方薬の効果

最近急増している前立腺炎癌の治療に、浸襲の少ない内分泌療法が選択されることが多いが副作用として不快なほてりがたびたび見られる。

症例

前立腺炎癌で根治手術後酢酸リュープロレリンによる内分泌療法を追加したところ、ほてりを強く自覚し、不眠も訴えた。赤ら顔で食欲は旺盛である。黄連解毒湯エキス剤を投与したところ6ヶ月程でほてり、不眠が完治した。

症例

69歳。
前立腺炎癌で酢酸リュープロレリンを投与したところ、耐え難いほどの顔のほてり、発汗に悩まされた。
痩せ型で冷え性である。柴胡桂枝乾姜湯エキス剤を投与したところ2週間でほてり症状が消失した。

前立腺炎癌におけるホルモン療法とホットフラッシュ

症例

現在、前立腺炎癌に有効な抗がん剤は無く、有効な薬物療法はホルモン治療(LH-RHアナログ)のみである。
しかしLH-RHアナログは副作用にはホットフラッシュがあり患者のQOLを低下させる。
報告者はLH-RHアナログを投与した前立腺炎患者のうち、ホットフラッシュを認めた22例に桂枝茯苓丸エキス剤を投与してその有効性を検討した。
その有効率は63.6%に達した。

10前立腺がん内分泌療法の副作用に対する漢方薬の効果

最近急増している前立腺炎癌の治療に、浸襲の少ない内分泌療法が選択されることが多いが副作用として不快なほてりがたびたび見られる。

症例1:前立腺炎癌で根治手術後酢酸リュープロレリンによる内分泌療法を追加したところ、ほてりを強く自覚し、不眠も訴えた。赤ら顔で食欲は旺盛である。黄連解毒湯エキス剤を投与したところ6ヶ月程でほてり、不眠が完治した。

症例2:69歳。前立腺炎癌で酢酸リュープロレリンを投与したところ、耐え難いほどの顔のほてり、発汗に悩まされた。痩せ型で冷え性である。柴胡桂枝乾姜湯エキス剤を投与したところ2週間でほてり症状が消失した。

前立腺炎癌の薬剤療法による熱感、発汗に桂枝加附子湯

前立腺炎がん治療の中心的薬剤である酢酸リュープロリンの副作用として薬剤使用中止を要するような重篤なもの(たとえば肝障害)ではないが患者のQOLを著しく損なうものにほてり、熱感、発汗がある。漢方医学古典『傷寒論』に発汗止らむものに桂枝加附子湯を用うと、あるのをヒントに報告者は使用を試みた。

症例:78歳。前立腺炎癌に対し酢酸リュープロリン注射を開始したところのぼせ、熱感、多量の発汗が日に3~4回あり、睡眠も阻害される状態が7ヶ月も続いていた。そこで桂枝加附子湯『桂枝湯エキス剤とツムラ生薬ブシ末』の投与を行った。1ヶ月で症状が半減し2ヶ月でほぼ消失した。5ヶ月で漢方薬は終了したが、その後も酢酸リュープロリンの副作用は極めて軽度に済んでいる。

胃癌の肺転移例に対する十全大補湯の効果について

胃癌は放射線療法や化学療法の効果が他の癌に比べて低いため外科適切除術が行われる。その補助療法としてインターフェロンを用いるが奏功率が12~25%と決して満足できるものではないばかりか、倦怠感などの副作用のため中止せざるを得ないことも少なくない。一方胃癌が肺などに転移することもしばしばあり、その場合予後が著しく不良となり、いまだに有効な治療手段が確立していない。十全大補湯は現在癌治療に際し、支持療法として位置ずけられている。すなわち癌そのものの進行に伴う食欲不振、全身倦怠感などの改善、および化学療法、放射線療法に伴う副作用の軽減、この両者を目的として用いられることが多い。
しかし報告者らはマウスを用いた実験によって、十全大補湯が胃癌の肺転移抑制作用を有することを示す知見を得ており、今回胃癌が肺に転移した症例に十全大補湯を投与して、支持療法としての効果のみならず、実際に腫瘍の縮小効果が認められたことを報告している。

症例1: 66才男性。6ヶ月前より夜間就寝中に呼吸困難が続いており、精査のため報告者の大学病院呼吸器内科に入院した。レントゲン、エコー、CTなどにより右胃癌と多発性肺転移の診断で泌尿器科に転科した。インターフェロン、抗癌剤を4ヶ月間投与後胃摘除を行った。術後5年間インターフェロン投与を行ったが倦怠感などの副作用が強くなり5年目にはインターフェロンを中止せざるを得なかったが肺の転移巣が増大傾向を示してきた。そこでこれまでの薬剤をすべて中止し、十全大補湯エキス剤のみの投与を開始した。3ヶ月には全身状態が良好になった。食欲が著しく増し倦怠感も改善したのである。
1年後肺転移巣のわずかな拡大を見たが新たな転移巣は認められなかった。2年半後肺転移巣が縮小傾向に転じた。その後肺転移巣の著しい縮小は認められないものの、患者のQOLは著しく改善した状態を保っている。

肺癌術後長期の咳嗽に対する麦門冬湯の効果

肺癌術後3ヶ月以上を経過してもなお咳嗽が続く症例がある。体力が消耗され、特に老人の術後患者に大きな負担となるばかりか激しい咳嗽は咽頭や肺の損傷を起こしかねない。一方感冒様症状や細菌性肺炎などの所見が認められないため治療に苦慮する。報告者の大学病院心肺外科では、肺癌術後3ヶ月以上咳嗽を訴えるもののうち感冒、喘息、肺炎などの所見を示すものを除外し、6例に麦門冬湯エキス剤を投与し、著効5例有効1例の好成績を得た。1症例を呈示する。

症例:76誌、男性。肺癌で術前の化学療法と放射線療法のあと肺癌手術施行、術後経過は良好であった。その後次第に咳嗽が生じ、各種鎮咳剤の効果もはかばかしくない状態で3年8ヶ月過ぎて報告者を受診。麦門冬湯エキス剤の投与を開始した。4日目から咳嗽ほぼ完全に消失し、現在も服用は継続している。

末期がんに対する真武湯の投与経験

症例:72歳女性。4年前に子宮体癌を発見。手術および化学療法を繰り返してきた。今年になって胸水貯留その他が認められ、報告者の病院に入院となった。その1ヵ月後には薬の内服は困難になり、呼吸も荒く、やせ細り、浮腫と末梢の冷えが強度となり末期の近いことが感じられた。真武湯エキス剤を適量の水で2倍に希釈したものをネブライザーで吸入させた。吸入開始後、下肢のむくみ、冷え、呼吸困難が著明に改善され、血圧も低いながら安定した。開始後7日目に数分の呼吸困難の後に安らかに永眠された。報告者は本例のほかに癌の末期1例、心不全末期1例に同様に真武湯を投与して、同様にQOLの改善された臨終を体験したという。

末期がんに対する大建中湯の使用例

症例:38歳男性。11歳児より重症心身障害児として施設に入所していた。3年前回盲部粘液腺癌で回盲部切除術施行。1年後癌再発。以後家族の希望で抗がん剤(5-FU)のみで経過観察。昨年になって再再発を認めたが家族は手術を希望しなかった。やがて著明な腹水の増加と呼吸困難、さらにイレウス(腸閉塞)を繰り返すようになったので大建中湯エキス剤の投与を開始した。その後腹水が減少しイレウスの発生も無くなり、経口接種が最後まで可能のまま推移し、漢方薬投与開始4ヵ月後に永眠された。

進行性卵巣癌の経過を改善した補中益気湯の効果

症例:49歳女性。2年前卵巣切除手術を受けた。術前のCA125は2,200U/mL(正常値は35以下)であった。術後パクリタキセル他による化学療法を施行。CA125値は30台になった。術後1年目に再びCA125の上昇を認め、再び化学療法を施行したが効果なく2ヶ月で中止した。その時点で補中益気湯エキス剤の投与を開始したところ、体調もよく、CA125も正常になり1年後の現在卵巣癌の再発を疑わせる所見は一切無い。補中益気湯投与により免疫機能が改善され、その結果、抗腫瘍効果を発現し、症状の安定をもたらしたものと考えられる。

肺癌化学療法の副作用に対して漢方療法が有用であった1例

症例:68歳男性。喫煙歴;タバコ20本/日、45年間。65歳から禁煙。2年前(66才)現発性肺癌が発見され、カルボプラチンとパクリタキセルによる化学療法を開始した。1コース終了後、腫瘍縮小効果は得られたものの、全身倦怠感、食欲不振を強く訴えた。そこで十全大補湯エキス剤と六君子湯エキス剤の投与を開始したところ、2週間後には全身の倦怠感、食欲不振は著しく改善された。次いで2コース目の化学療法を同様にカルボプラチンとパクリタキセルで開始したが、今回は最初から十全大補湯エキス剤と六君子湯エキス剤を併用投与したところ、副作用である倦怠感や食欲不振は前回より著しく軽く済んだ。